株式会社寺田ニット 中編 寺田ニットさんの追求、糸からこだわるものづくり

工場の前で左から、常務の寺田義久さん、社長の寺田光彦さん、専務の寺田公仁さん

工場の前で左から、常務の寺田義久さん、社長の寺田光彦さん、専務の寺田公仁さん

活発に稼働している工場の様子

活発に稼働している工場の様子

【梶原】

寺田社長とお話ししていると、開発に向けてとても強い信念で突き進んできた道のりを感じます。こだわってきた想いや考えてきたものづくりについて伺えればと思います。

【寺田社長】

長くOEMという事業をやってきていますが、今の世の中はより安いモノを求めているため、もっともっと安い素材を自然と使う傾向になりましたね。昔と比べて良いものが少なくなってきたと思います。

大量にモノを作ると、大量に残った在庫は燃やしてしまうので、悪い循環になってしまいますよね。このような世の中の状況をみて、6年ほど前から体に良い素材のモノを着ることが大切だと感じています。例えば、ウール素材の温かい服を着ると、暖房の温度を1、2度下げられます。夏は和紙素材の服を着ると涼しいので、冷房の使用頻度を減らして過ごすことができます。

私たちは自然にある動・植物の素材で勝負したいと強い意志を持ち、地球環境に優しく健康にも良い素材にこだわってモノづくりをしています。その中でもシルク、和紙糸、ウール、コットン素材でホールガーメント編機に合う素材や糸の番手を厳選して選んでいます。

動・植物素材は素材が生きているため、寒さや暑さに適切な温度を保つ素材でもあります。お客様が快適に、幸せな気持ちなってもらうことが私たちのモノづくりをする意味でもあり大事な部分です。

工場の前の自然環境

工場の前の自然環境

工場で使われている糸

工場で使われている糸

体に良い天然素材にこだわり、お客様に幸せを届けたい。

【梶原】

挑戦を続けている寺田社長のものづくりで感じるやり甲斐を伺えますか?

【寺田社長】

開発を考えているときのこだわりは、お客様が幸せと感じてくれるかどうか、という点です。素材が良いもので製品を作り、着心地がよいと喜んでもらいたいです。 よりよくするために工夫をするところが日本の文化だと思います。

薄くて軽いけど温かくて着心地の良い服を目指して、ニュージーランド産のウールにオリジナルの技術で工夫を加えました。18G(ゲージ)の編機に合うように端番手のウールを開発し、服として完成させました。極薄のウールニットなので年中着ることができて、自宅で洗濯することも可能です。長年研究してきた技術が詰まった一品で、自社の定番商品として活躍しています。

和紙のニットも、長年開発を重ねてきました。理想の風合いがあり、和紙とキュプラ素材を合わせた糸でようやくいいニットを作ることに成功しました。この糸で編むことは技術的にハードルが高かったですが、チャレンジしました。やっと納得できるものが仕上がり、和紙のドライ感がある特性を生かしながらも滑らかで柔らかい商品ができました。

工場で小分けされている糸

工場で小分けされている糸

ホールガーメント編機から取り出した製品

ホールガーメント編機から取り出した製品

【梶原】

サステイナビリティについて、実際に行っていることはありますか?

【寺田社長】

この市川三郷町のエリアはシルクの産地で、川が綺麗な地域でもあります。近くに富士川が流れていて、小さい時からこの地域に住みながらシルクを絹にした時の川で魚が生きている様子を見て育ってきました。シルクは値段が高いですが、肌に良い素材です。弊社でもリピーターが続いている自慢の売れ筋商品です。この環境にも優しく体にも良いシルク製品を私たちがもっと努力して、お客様にとって買いやすい値段になるために努力したいと思っています。

芦川の上の橋

芦川の上の橋

富士川の風景

富士川の風景

【梶原】

残糸に関してはどのように考えていますか?

【寺田社長】

できるだけ再利用しようとしています。例えば、サンプルを制作するときは残糸を使用するようにしています。無駄なく使うことを意識して作っていますが、どうしても残糸を発生する場合は、いかに有効利用できるか考えて帽子や手袋などを作る場合もあります。

しかし、我々が意識をして工夫をすることも大事ですが、アパレルメーカーさんの協力も必要ですし、現場の人たちも意識をして進めていかないといけない問題だと思います。適量生産を心掛けて売れた分だけ作り、糸を保管して翌年も再利用することで“残糸”という言葉をなくしていくこともいいかもしれません。

工場で保管している糸

工場で保管している糸

後編へ続く。

BLUEKNIT store クリエイティブディレクター 梶原加奈子(かじはらかなこ)

BLUEKNIT store クリエイティブディレクター

梶原 加奈子

北海道札幌市生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業。

株)ッセイミヤケテキスタイル企画を経て渡英。英国王立芸術大学院RCA)ァッション&テキスタイルデザイン修士課程修了。2008年 KAJIHARA DESIGN STUDIO INC.を設立。

日本産地の素材を集結させたテキスタイルブランド KANA COLLECTION を立ち上げ、海外のハイメゾン向けに素材を提案。クリエイティブディレクターとしてもブランディングや地域活性化と連携。札幌の森にショップ、ダイニング、ゲストハウスの複合施設「COQ」を立ち上げ、自然と共に過ごすサーキュラーライフバランスを発信している。

2022年より株)精機製作所が立ち上げたサステナブルECモール「BLUEKNIT store」のクリエイティブディレクターを務めている。

北海道札幌市生まれ。多摩美術大学デザイン学部染織科卒業。

株)ッセイミヤケテキスタイル企画を経て渡英。英国王立芸術大学院(RCA)ファッション&テキスタイルデザイン修士課程修了。2008年 KAJIHARA DESIGN STUDIO INC.を設立。

日本産地の素材を集結させたテキスタイルブランド KANA COLLECTION を立ち上げ、海外の廃メゾン向けに素材を提案。クリエイティブディレクターとしてもブランディングや地域活性化と連携。札幌の森にショップ、ダイニング、ゲストハウスの複合施設「COQ」を立ち上げ、自然と共に過ごすサーキュラーライフバランスを発信している。

2022年より株)精機製作所が立ち上げたサステナブルECモール「BLUEKNIT store」のクリエイティブディレクターを務めている。

PROFILE

株式会社寺田ニット

「清潔な会社で社員が明るくて物づくり、全てに妥協を許さない 」 新たな開発への挑戦と勇気、お客様に感動していただける商品づくりを目指して 、そんな会社になりたくて今日までやってきました。 これからは環境問題を考えたサステナブルな商品展開で社会貢献をしていくこと、また、寺田ニットが作り出す製品の良さを国内だけではなく世界の皆様に 知っていただくこと を目指して頑張り続けます。
経済産業省の「次代を担う繊維産業企業100選」に選ばれました。

寺田ニットについて詳しく【読みもの】寺田社長の熱い想い

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