古くから「商人の町」として知られている大阪。江戸時代には、全国各地から集まった商人たちが活発に取引を行い、経済の中心地として栄えました。この歴史的背景が現在の大阪の経済基盤を築いており、多くの企業や商業施設が集まっている地域です。そんな大阪の中心にある大阪城にほど近い大川沿いにファクトリーをかまえる、リフォームを主軸に行う株式会社フォルムアイさんがBLUEKNITに参加いただけることになりました。
営業企画部長の井上雅子さん、マイニットファクトリー副部長の池田喜則さんとBLUEKNIT storeを運営する島精機製作所(以下、島精機)のインタビューの模様を、前編、中編、後編の3部に分けてお届けします。
中編では、自社の強みやサステナビリティに対する想いや活動について語っていただきます。
ファクトリー横にある川沿いの遊歩道
手仕事の伝統を守りつつ、 未来を編む
【島精機】
自社の製品の特長を教えてください。
【池田副部長】
最大の特徴は、ベーシックからデザインもの全ての商品がパターンオーダー可能ということです。また、コンペティターとの違いは、素材とデザインが豊富なところです。
技術担当の池田副部長
【島精機】
素材とデザインが豊富ということですが、こだわりを教えてください。
【池田副部長】
こだわりは、ワンピースを主体にしたコーディネートで、ホールガーメント®のシルエットの綺麗さや高級感を最大限に見せる上で、ウールでもあえて2/48の2本取りを使って、生地のハリや重厚感を表現するようにしています。
その反面、インナーに関しては、14ゲージから16ゲージ相当の番手を使用し、薄く軽く仕上げるようにしています。ホールガーメント®の着心地、軽さ、シルエットの綺麗さをお客さまにご提案しています。プラスワンとして、お客さまのお好みの丈に合わせられます。BLUEKNITで販売している商品は、パターンオーダーは出来ませんが、長年パターンオーダーで培ったデータを基に、着心地にこだわって生産しています。
期待を超える、心を込めたものづくり お客様の信頼に応える一品を
【島精機】
ものづくりをされる際に、これだけは大切にしたいと思っていることは何ですか?
【池田副部長】
お客さまが数あるアパレルブランドから、あえてフォルムアイのパターンオーダーを選んでくださったという思いや期待を裏切らないように、真心を込めて、お作りさせていただくという姿勢です。オーダーは信用、信頼で成り立つビジネスなので、期待以下の商品を提供すれば、お客さまは離れていってしまい、二度と戻られることはありません。
そうならないためにも、作る側の我々は、一点一点に集中して、サイズ、風合い、シルエット全てにおいて、万全でなければいけないと、日々感じています。そして、「uncreare」のファンになっていただけるように、誠心誠意、直向きにものづくりに励みたいと思っています。
ファクトリー内での作業風景
【島精機】
素材の話のところで、生分解性のある糸を使用しているとのことでしたが、他にもサステナブルな取り組みをされていますか?
【池田副部長】
オーダーニットは、パターンオーダーなので、製品在庫を持たずに受注した分だけを作るという究極のオンデマンド生産だと言えます。
糸に関しては、生産段階で編み不良が出てしまうことも起きるのですが、そういった時も接ぎ目のないホールガーメント®製法なので、製品をもう一度解き、糸に巻きなおして、再利用しています。使わなくなった糸や少量だけ残ってしまった糸については、フェアの際などにインセンティブ商品として小物を作成し、お客さまにご提案しています。
ホールガーメント®横編み機で編んだ製品
【井上部長】
リフォームについては、もう全てが1点1点の対応なので、何度も修理して着用していただいたり、若い方がお父さんとかお母さんから譲り受けたものをリメイクしてもう一度着られるようにしたり、物を大切にするというマインドに繋がっていると思います。
洋服は、最後は消耗品になるのかもしれないですが、とにかく愛着のあるものを長く着られるようにという精神で続けているので、リフォーム自体がサステナブルな活動に繋がっていると考えています。
BLUEKNITで販売しているニットについても、リペア対応が可能ですので、ぜひ長く着ていただければと思います。
ファクトリー内での手作業風景
【島精機】
物を大切にする気持ちに繋がるということは、とても素敵なことだと思います。今後取り組んでいきたいサステナブルな活動があれば教えてください。
【井上部長】
BLUEKNITで販売しているニットには、サステナブルな素材ということでSPIRITOというウール100%の糸を使用していますが、今後は他にもどんどんサステナブルな素材を使用していきたいです。やはり今の若い世代の方と話をしていると、サステナブルに対する意識の高い方が多いので、ファッション性だけでなく、会社としてはそういったことにも取り組んでいかないといけないと考えています。