古くから「商人の町」として知られている大阪。江戸時代には、全国各地から集まった商人たちが活発に取引を行い、経済の中心地として栄えました。この歴史的背景が現在の大阪の経済基盤を築いており、多くの企業や商業施設が集まっている地域です。そんな大阪の中心にある大阪城にほど近い大川沿いにファクトリーをかまえる、リフォームを主軸に行う株式会社フォルムアイさんがBLUEKNITに参加いただけることになりました。
営業企画部長の井上雅子さん、マイニットファクトリー副部長の池田喜則さんとBLUEKNIT storeを運営する島精機製作所(以下、島精機)のインタビューの模様を、前編、中編、後編の3部に分けてお届けします。
後編では、BLUEKNITへの想いと今後の目標について語っていただきます。
ニットと布帛を合わせたコーディネートの提案
ファッションの新しい形、 1点だけ作るという挑戦。
ドレーピング風景
ホールガーメント®のワンピース
【島精機】
「uncreare」を今後どういったブランドにしていきたいという思いはありますか。
【井上部長】
「uncreare」というブランド名の由来が、フランス語のun(アン)=1つのという言葉と、イタリア語のcreare(クレアーレ)=作るという言葉で、「1つを作る」という意味になります。なかなか1点だけ作るというのは、いろんな面から見てビジネスとしてやっていくのは非常に難しいところに挑戦していると思います。それができるというのは、元々がリフォームを主とした業態でやってきたというところが大きいです。
リフォームというのは1点1点の対応です。他のアパレルの方とかと話をしていて、1点作るって言ったらビックリされるんですが、でもリフォームもオーダーもそういうものなので、私たちは抵抗がないんです。フォルムアイ自体、社長が隙間産業ということでスタートした会社ですが、オーダーもある意味隙間産業だと思うんですよね。でも、そこに共感してもらえるとか、いかに増やしていけるかっていうところが、まだまだ色付け出来ていないというか、弱いところがあると思っています。
「uncreare」のお店が正式にスタートしたのが1年前ですので、2年目、3年目に向かって、たくさんの方に知っていただけるようになりたいです。そのためには、なかなかオーダーという切り口だけでは難しいと思うので、ファッションの切り口で「あ、これってオーダーできるんだ」っていう、そういった方向性で進めていけたらと考えています。
ショップのドッグウェアのオーダーニット
【島精機】
オーダーニットではホールガーメント®を採用されていますが、お客さまにホールガーメント®を通して伝えたいことや感じて欲しいことはありますか?
【池田副部長】
やっぱり無縫製ということの良さを一番に感じて欲しいです。着心地の良さとか、フレアーがきれいに出るとか。でも、それって着てみないとわからないことなので、ぜひ一度着てみて欲しいです。
やっぱり無縫製ということの良さを一番に感じて欲しいです。着心地の良さとか、フレアーがきれいに出るとか。でも、それって着てみないとわからないことなので、ぜひ一度着てみて欲しいです。着てみたら、みなさん良いなって思っていただける自信があるので、ホールガーメント®って実は普通のニットと違うよねってことを実感して欲しいです。
左から池田副部長、井上部長
【島精機】
BLUEKNITに参加されることで、今後期待することはありますか?
【井上部長】
島精機さんが運営されているBLUEKNIT storeで「uncreare」のアイテムの取り扱いがスタートするということで、とても嬉しく思っています。私たちだけでは出来ないところを一緒にやっていただけると、また違う反応が分かったり、新しい一面を知ることも出来ると思っています。自社のECサイトを立ち上げたところなので、BLUEKNIT storeに参加することで色々と学ばせてもらいたいです。
サステナブルな未来に向けて、 BLUEKNITと共により良いものづくりを
編み機の糸送り部分
【島精機】
BLUEKNITは、廃棄ゼロのニット製品を提供するプラットフォームとして循環する社会を目指しています。
それと共に、次世代のニットメーカーさんの販売支援という活動を行っていますが、フォルムアイさんがBLUEKNITに参加されるにあたって、どういった点に共感いただけましたか?
【池田副部長】
私は元々前職でサステナブルなコンセプトの取り組みに賛同していましたので、フォルムアイに入社した時にも、リフォームという点でもそうですし、ホールガーメント®の製品だったら、よりもっとサステナブルなものづくりをお客さまに提供できるのではないかと思っていました。なので、そういった点でBLUEKNITの考えは素晴らしいと共感し、参加することにしました。
【井上部長】
本当に、私も素晴らしい考え方だと思います。
マイニットファクトリーからの発信
マイニットファクトリー入り口にあるロゴ
【島精機】
ありがとうございます。では、最後に今後の目標を教えてください。
【井上部長】
本当にまだまだ始まったばかりで、こういうことをやっているということが、十分に告知しきれていないので、私たちのやっていることをたくさんの方々に知っていただきたいです。布帛とニットの両方のオーダーが出来るところは少ないと思うので、そこを活かしてディスプレイなどでも見せていきたいです。
編み機を置いているこの場所、マイニットファクトリーを通じて、店舗とECサイトとリフォームショップを繋げるということがテーマというか課題だと考えていますが、まだ思うように出来ていないというのが実感です。1点1点作るといっても、価格がものすごく高価とかっていうことではないですし、普段お洋服を買うのと同じ感覚でオーダーしていただけるように、広げていきたいです。
マイニットファクトリー社員のみなさん
フォルムアイさまの取材を終えて
フォルムアイさんの取材を通じて、リフォームという既存の枠を超えた新たな挑戦、オーダーニットへの情熱を深く感じることができました。お客さまの期待を超えるために、1点1点に誠意を込めて作るという信念は、単なる製品提供ではない、お客さま一人ひとりの想いを反映した特別な存在となっています。
また、リフォームを通じて物を大切にする文化を育む取り組みは、持続可能な未来への重要な一歩となっていると感じました。リフォームで培った技術と感性が、新しいニット製品にも生かされている様子は、まさに革新そのものです。
フォルムアイさんの取り組みが、ただのファッションではなく、人々の心に寄り添う真摯な活動として、多くの人々に愛され続けることを願っています。