

朝、クローゼットを開ける。
その日の気温や予定を思い浮かべながら、一着を手に取る。
それは、毎日の何気ない習慣かもしれません。
けれど、その小さな選択のひとつひとつが、
少しずつ未来につながっているとしたら─
あなたが今日着ている服は、どこから来ましたか?
国際気候行動デーという、もうひとつの視点
毎年10月24日は「国際気候行動デー」。
世界中で地球温暖化や気候変動などの環境問題に対して関心を高め、行動を促すための日です。
ここ数年、「秋が短くなった」と感じたことはありませんか。厳しい暑さが長く続き、気づけば一気に冬が訪れる。そんな季節の変化を、私たちはすでに体感しています。
気候変動は、遠いどこかの話ではありません。そして実は、それは日々の暮らしの選択ともつながっています。そのひとつが、毎日何気なく選んでいる“服”です。
止まらない温暖化と、私たちの暮らし
地球の気温は、ゆるやかに、しかし確実に上昇しています。わずかな変化に思えても、その影響は確実に私たちの生活に現れています。
猛暑の増加、突然の豪雨。
そして、これまで当たり前だった季節のリズムの変化。
これらの背景にあるのが、温室効果ガス(GHG)の増加です。そしてその多くは、私たちの消費活動の延長にあります。
電気、移動、食事。
そして、服もまたそのひとつです。

地球の気温は、ゆるやかに、しかし確実に上昇しています。わずかな変化に思えても、その影響は確実に私たちの生活に現れています。
猛暑の増加、突然の豪雨。
そして、これまで当たり前だった季節のリズムの変化。
これらの背景にあるのが、温室効果ガス(GHG)の増加です。そしてその多くは、私たちの消費活動の延長にあります。
電気、移動、食事。
そして、服もまたそのひとつです。
服は、思っている以上に多くの資源からできている
一着の服は、どのようにして生まれているのでしょうか。
たとえばウールのニットであれば、羊から採られたウールが糸になり、染められ、そして編まれて、ようやく私たちの手元に届きます。その過程では、水やエネルギーが使われ、さらに輸送や保管、販売といった工程が重なります。
スイスのジュネーブに本部を置く国連の常設機関「国連貿易開発会議(UNCTAD)」では、繊維・アパレル産業は「世界で第2位の汚染産業」とみなされています。
繊維・アパレル産業の温室効果ガス(GHG)排出量は、合計12億トンのCO2に相当し、国際航空業界と海運業界を足した量より多く排出しています。また、年間約930億立方メートルという500万人の生活用水に匹敵する量の水を消費し、世界の工業排水汚染の約20%に関わっているともいわれています。
過去15年間で、世界における衣料品の生産量は約2倍となっており、大量生産・大量廃棄も大きな問題となっています。日本国内だけでも年間約78.7万トンもの衣類が手放され、その約65%が焼却または埋め立て処分されています。
私たちが何気なく手に取る一着の裏側には、多くの資源とエネルギー、そして環境への負荷が存在しているのです。
変わり始めている、ものづくりの考え方
こうした課題を受け、アパレル業界では環境負荷を減らすための取り組みが世界中で進んでいます。かつては「より多く作り、より多く売る」ことが重視されていました。しかし今は、素材の選び方や生産工程、製品の寿命にまで目を向けたものづくりへと変化しつつあります。
環境への配慮と品質の向上を両立するために、さまざまな工夫が生まれています。
持続可能な素材
まず見直されているのが素材です。
農薬や化学肥料の使用を抑えたオーガニックコットンや、廃棄物を再利用したリサイクル繊維。自然環境への負荷を抑えながら、素材本来の良さを活かす選択が広がっています。
生産過程のCO2排出削減
生産の方法も変わりつつあります。
再生可能エネルギーの活用や、エネルギー効率の高い設備の導入・新しい製造方法の採用などによって、製造時のCO2排出を抑える取り組みが進んでいます。
廃棄物削減と循環型社会
さらに注目されているのが、「作りすぎない」という考え方です。
必要な分だけをつくり、長く使い続ける。「消費」から「循環」へ。それは、環境だけでなく、服そのものの価値を見つめ直すことでもあります。
「つくり方」を変えるという発想
ここで一度、想像してみてください。
もし服をつくるときに、そもそも「裁断する」という工程がなかったら─服づくりの前提が変わることで、無駄は大きく減るかもしれません。
「縫わずに編む」という選択、ホールガーメント® という技術。
ホールガーメント® は、ニットを一着まるごと立体的に編み上げる製法です。従来のニットのように裁断して縫い合わせるのではなく、最初から完成形として編み上げていきます。そのため、裁断時に出ていたロスや廃棄物が削減できます。
必要な分だけを、無駄なく使う。とてもシンプルで、環境にやさしい仕組みです。さらに、縫い目がないことで、身体に自然になじむやわらかな着心地が生まれます。
環境への配慮と、日常の心地よさ。
そのどちらもあきらめない、ひとつの答えです。
選ぶことは、小さなアクション
「環境のために何かをする」と聞くと、少し大きなことのように感じるかもしれません。けれど実際は、案外シンプルです。
新しい服を選ぶとき、ただデザインや価格だけではなく、「どのようにつくられた一着なのか」に目を向けてみる。
長く愛用したいと思えるものを選ぶこと。
つくり手の想いや背景を知ること。
そんな視点を持つことは、自分自身の暮らしを見つめ直すことにもつながります。服を選ぶことは、単なる消費ではなく、未来のものづくりを応援する意思表示でもあるのです。
10月24日、少しだけ立ち止まって
国際気候行動デーは、私たち一人ひとりのための日です。気候変動という大きなテーマを前にすると、自分にできることは限られているように感じることもあります。しかし、社会を変えるきっかけは、いつも暮らしの中にあります。
毎日食べるもの。
毎日使うもの。
そして、毎日身につけるもの。
そうした身近な選択の積み重ねが、未来の社会や環境を少しずつ形づくっていきます。10月24日という日が、これからの暮らしやものづくりについて考えるきっかけになりますように。
最後に
私たちは、日々たくさんの選択をしています。その中でも服は、毎日触れ、毎日身につける、とても身近な存在です。だからこそ、今日選ぶ一着にほんの少しだけ理由を持たせてみてはどうでしょうか。
「何を買うか」だけではなく、
「どんな未来につながる服を選ぶか」という視点を持ってみる。
それは決して大きな行動ではありません。けれど、その小さな選択が、未来のものづくりや環境に確かな変化を生み出します。
未来のために、心地よさをあきらめない選択を。
あなたが選ぶその一着が、やさしい変化のはじまりになるかもしれません。
